1月23日(火) 岩手県立大で講義してきました
12月下旬にお話をいただいて 1月23日(火)午前2コマ(3時間) 助産師学生(7人)に講義をしてきました
(教官 日赤スタッフ 同席)
トコ企画の「安産誘導セミナー」の講師をしている関係上 そこで教えている内容をそのままというわけにはいかない ということは あらかじめ話しておきました
1ヶ月後に国試を受ける学生に この内容は 難しいというか・・・混乱させるというか
だけど「回旋異常」「不正軸進入」は ここ数年で激増
10年前は1割くらい 今は5割以上 今もドンドン増えてる
(当社比ってか 私の個人の感じでは)
医師や助産師が
「なんで?」
「困ったな」
とは思っていても そのままではお産は進まない
運良く下がってくれば「吸引分娩」
吸引できる所まで下がってこなかったり 子宮が疲れて陣痛が無くなったら「帝王切開」
何かあったら「切る」ができるDrと「切る前に何かできないか」と模索する助産師とでは「困った」の比重が違う
・・・・・・・・・・・・・・・・・
同僚の助産師が回旋異常になって痛みでのたうち回ってるのに
「赤ちゃんがちゃんと回ってくれるといいね~(´;ω;`)」
「何もしてあげらなくてゴメン (T-T)」
とか声をかけるしかできない
で 赤ちゃんがギブアップサインを出すまで待って 帝王切開
赤ちゃんがギブアップする前に ママが先にギブアップする事も多い
・・・・・・・・・・・・・・・・・
この様に 回旋異常に関しては 現状は「運まかせ」「神頼み」的なのが一般的
だけど
妊娠中からの予防方法はあるし お腹のいびつなのをさらし巻いて補正して この体操とこの体操を繰り返せば正常な位置になる可能性が上がるってセミナーでお知らせしてたんだけどね~
100%ではないけど 試してみる価値はある確率で改善します
経過を見ているだけでは ほぼ0%なんだから
自然経過待ち という名の 放置 で待たないで
・・・・・・・・・・・・・・・・・
前置きが長くなっちゃった
本題に戻ろう
まずは教科書にある「どこの段階で異常が起きるか 回旋異常のながれ」という図を表示
「この図だと『異常が起きるか』 ではなくて『異常になっちゃってるか』 だよね
異常になる原因は書かれてないし 対処の仕方も 帝王切開と吸引分娩となっています
助産師なんだから 帝王切開になりそうならせめて吸引分娩
吸引分娩になりそうならそれを回避できるように
早めに異常の原因を見つけ出し
対処して回旋異常を正常な状態にする方法を身につけましょう」
「その前に 正常な分娩経過になる理由を考えてみましょう
どうして赤ちゃんの背中がママのおへその側に向くの?
反対側向くのと確率が半々でもおかしくないと思わない?
私は学生時代『なんでちゃんとした方向を選ぶんだろう?』って思ってたよ
まあ 昔は9割正常
今は 半数以上が異常だから そんなこと考えもしないかもね」
とか話しつつ・・・
考えてみましょう
ったって たった3時間 グループワークなんぞしている時間は無い!
「腹腔のスペースの形がこんなんだから 赤ちゃんの背中はママのおへその側に向きます
エビデンス? 解剖図を見れば一目瞭然」
と とっとと答えを教える
「ほ~ほ~ なるほどね~」
と感嘆の声
は大人達から
学生達は全くの受け身なので メモを取るのに必死
考える時間も与えなかったしね
しょうがない
「ただし これは国家試験にはでないよ!!
教科書作ってる人は だ~れも気づいてないからね」
「さて 赤ちゃんの背中がママのお腹側に来て 顎を引いてお産のスタートの準備するのはいつ?」
これは ちゃんと学生に答えてもらう
「分娩第一期です」
「国家試験的には正しい
でも 陣痛が来たからっていきなり その胎勢になるわけじゃない
妊娠後期にすでに準備の姿勢になっててくれないと困るね
だーかーらー
34~36週の妊婦健診のエコーで「お顔が見える」は「回旋異常決定!」なの
「顔が見えなくて残念(>_<)」
じゃなくて 顔が見えなくても当たり前の週数
(エコーは胎児の記念撮影の機械じゃない
正常・異常を外から見れる便利な道具
でもすべてが見えるわけじゃないから勘違いしないで)
「もうお産の準備をしているかしこいあかちゃんね♡」
って喜んであげなくちゃ」
「じゃあ その週数で しっかり顔が見えちゃってたらどんな指導をしたら ちゃんとした方向に向くでしょうか?」
こんな感じで講座は進行
お産の前に「安産」か「難産」かのスタートは切られている
最近 こんな↑不正軸ばっかり!!
長時間のスマホ仙骨座りのせいで!!
こんなでも軸を整えることできます
すぐあきらめないで
これを理由に帝王切開にしないで
やれることは ある
(やる のは 助産師じゃないよ 産む人だよ)
とは言え 妊娠中の予防が一番だけどね
(安産力を高める骨盤ケアの体操を毎日すること)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
2時間目は 分娩進行中に
「第1分類にするために腰椎前彎をどうやって作るか」
「さらしでできる不正軸進入の改善方法」
とかを実習
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここまでで質問は?」に
お産で「死ぬほどひどい目にあった(T-T)」という助産師が
「どうして自分がそうなったのか知りたい!
次の出産は安産したい!」
と手をあげた
「それは ここまでの内容と関係ないよね なんでそんな質問するかな~ (゚Д゚)ハァ?」
だけど 腰椎が前彎してなくて 頸椎7番と胸椎12番あたりが凸でねじれてたら そりゃお産で死ぬほどひどい目にあうよね~
学生は「ポカーン ( @д@)」
大人達は 暑苦しい視線を送っている
この背骨の凸ねじれが原因の不正軸進入・回旋異常トラブルは良くあるパターン
覚えれるかどうか やれるようになるかどうかわからんけど 調整方法をとりあえず教えておく
スペシャル出血大サービスだよこれは!!
この先は正期料金払って受講してよね
学生のための講義なんだよこれは!
まったく~!!
特別に教えるんだから 盛岡日赤の分娩の回旋異常 減らしてよね!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・
この技術に関しても国家試験には出ません
_| ̄|○
・・・・・・・・・・・・・・・・・
まあ こんな感じで終わりました
現場を知ってる大人達の方があつかった~
学生達には
「3年くらい現場を経験したら 今日の内容の事が理解できる様になるから」
と しめくくった
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